株式会社メディカルサポート様インタビュー

トーホーポリマーさんの強みは試作品の加工技術と検査体制。規格に合わない製品が外に出ることのない、すぐれた量産体制をお持ちだと思います。

株式会社メディカルサポート
代表取締役 林 裕之 様(写真右)
開発営業 金子 竜生 様(写真左)

眼科の医療機器に特化して数々の実績がある株式会社メディカルサポート様。トーホーポリマーとは、高度管理医療機器に指定されているシリコーンスリーブを発注していただいています。開発から認可まで7年間を要した製品のプロセスとトーホーポリマーについての評価をお聞きしました。

株式会社メディカルサポート様のご紹介

会社とご自身の自己紹介をお願いします。
当社は、眼科に特化した医療機器メーカーです。製造品目は眼科手術用周辺機器、眼科用消耗品、特殊針等となります。また他にも医療にかかわる一般品の企画、製造や成型部品や金属部品などの提供、小ロットの試作品などにも対応しています。工場にはクラス100000のクリーンルーム環境を保有しています。
眼科に特化された理由はありますか?
会社員時代に、これから需要の大きくなる医療分野について考えた時、白内障だと思いました。それで会社に提案をしたのですが、よい返事がもらえず、起業することにしました。創業以来、お客様の要求事項を確実に理解し、不具合の発生を未然に防ぐための予防、是正処置を徹底しておこなってきました。眼科の医療器具に関しては、高品質な製品を創り上げるノウハウがあります。
現在は、どのようなお客様が多いですか?
お取引先は、眼科に特化した大手医療メーカーとなります。

「白内障の需要が大きくなると見込んで起業をしました。」

要求品質を満たすシリコーン加工の会社がなかった

お客様からよくあるニーズを教えてください。
お客様からのご要望通りに高い品質の製品をお届けするということです。医療器具は開発から認可が下りるまで4~5年かかります。まずは、試作品を作り、お客様のご要望をクリアします。その後に、臨床試験を経て、行政での認可が下り、量産することになります。試作品の精度はもちろん、最適なコストで試作品通りに量産することができる体制を整えることが大切になります。
トーホーポリマーとはどんなお付き合いをなさっていますか?
現在は、白内障の治療に使うシリコーンスリーブとテストチャンバーをお願いしています。この製品はメーカー様からご依頼をいただいて、量産体制に入るまで約7年かかりました。
トーホーポリマーとのお付き合いのきっかけを教えてください
2009年にシリコーンスリーブの試作品を依頼したことがきっかけです。お客様から白内障手術に使うシリコーンスリーブのご依頼がありました。医療器具には「体内」と「体外」に使用するもので、認可までの期間や難易度が全く違います。シリコーンスリーブは「体内」に当たりますので、高い品質が要求されます。当時、日本国内で要求通りの加工をできるシリコーンの加工会社が見つからず、数社当たりましたが、要求品質には届きませんでした。しかし、海外には要求品質を満たす製品がありました。ですから物理的には可能なわけです。日本でも製造が可能だと思い、シリコーンの加工会社を探している時に、トーホーポリマーさんをご紹介いただきました。
トーホーポリマーは、御社の要求品質を満たすことができたのですか?
最初に先代高桑社長にお会いした時に、快く引き受けていただきました。トーホーポリマーさんは補聴器の耳栓で大きなシェアをお持ちですし、医療器具に精通していることも大きなポイントでした。創業当初、資金がなかったので商社機能としてスタートしました。加工会社によっては不良が多く、クレームをいただいたこともあります。それで、加工技術の高い会社さんを見分けることもできるようになりました。例えば、金型を同じメーカーに発注しても、発注の要件によって仕上がりが違います。試作品を見れば、その会社の品質がわかります。トーホーポリマーさんに関しては、最初の試作品でそれまでの加工会社よりも品質が高いことがわかりました。しかし、お客様のご要望に届くまで試作を繰り返しました。もしかしたら、製造方法に違いがあるのではないかと考えました。高桑社長に相談して液状シリコーンを使った射出成型機を導入していただきました。ここから一気に品質が上がり、お客様のご要望をクリアすることができました。トーホーポリマーさんとは、お互いの会社を技術者同士が行き来するなど、強い信頼関係でお仕事ができています。

トーホーポリマーさんは医療分野に精通している

現在も、シリコーン製品を発注している会社は他にありますか?
以前からの付き合いの会社があります。品質と対応力ではトーホーポリマーさんが上だと思います。ですから、難易度の高いシリコーン加工製品をお願いしています。
他社と比較してトーホーポリマーの評価を教えてください。
まずは、研究熱心だということです。既存の発想に囚われず、新しいことに積極的に取り組んでいると感じます。また、「できません」という言葉を聞いたことがないくらいの対応力があります。こうした企業の姿勢が技術力を高めるのだと思います。
金子さんは、他社とトーホーポリマーとの大きな違いはどこだと思いますか?
医療分野に対してのチャレンジ精神だと思います。どの加工会社さんも医療分野の製品はリスクが高いと感じるようです。実際に、試作品品質の要求はレベルが高いですし、量産までの時間がかかります。また、医療事故が起きた場合のリスクヘッジなどを考えてしり込みする会社が少なくありません。一方で医療機器には、製品化されれば、長くオーダーが入り続けるというメリットもあります。トーホーポリマーさんは医療分野にも精通しているので、他社との対応が違うと感じました。

バリ0.03Maxがパーティングラインのないバリ0製品に

これまでの仕事で、印象深いエピソードはありますか?
今回のシリコーンスリーブで、バリ0.03Maxをクリアしたことですね。それまでの成型方法では、どうしてもバリが出ます。トーホーポリマーさんは技術が高いのでバリ0.03をクリアしてくれました。しかし、量産体制に入った時に同じ品質を保つためには、さらに工夫が必要になります。そこで、金型構造を見直し、新たに造り直していただいたので、パーティングラインがなくなりました。こうしてバリ0の製品が生まれました。
試作が成功しても量産体制が整っていることも大切だということですね。
その通りです。トーホーポリマーさんの群馬工場には、足を運んで工場見学をさせていただいています。試作途中でも何度も相談に乗っていただきました。トーホーポリマーさんの強みは試作品の加工技術に加えて、検査体制だと思います。規格に合わない製品が外に出ないので、すぐれた量産体制をお持ちだと思います。今回の製品は、体内に使われるものの中でも、「Class2」という高度管理医療機器として扱われているものです。ですから、信頼できる工場以外には発注できませんね。

「トーホーポリマーさんの提案でバリ0の製品が生まれました」

改めてトーホーポリマーの強みだと思う点を教えてください。
1:技術力
シリコーン加工に特化した経験と実績で高い技術と検査体制をお持ちです。また、設計担当者が優秀で、私たちの要求品質を確実に理解していただけます。
2:対応力
難しい仕事でも、まずはトライしていただけます。発想が豊かで、難しい仕事の相談にも快く応じていただけます。
3:企業の姿勢
モノづくりに対して真摯な姿勢を持ちだと思います。常にこちらの要求品質をクリアする製品を届けていただいています。

これからも高い技術力と人間性を大切に

これからのメディカルサポートさんのビジョンを教えてください。
日本の技術力を世界に広げることです。医療分野における日本の認可体制はスピード感に欠けるため、新しい製品を生み出すことができていないと感じます。海外製品に工夫を加えて、より良いものを作ることは得意ですが、これからは日本発の医療機器を生み出していきたいと思います。そのためにはすぐれた加工会社さんとのお付き合いが欠かせません。 今回のシリコンスリープは、世界にも通用する製品なので、インド、中国、マレーシア、インドネシアなどに進出したいと考えています。
これからトーホーポリマーに期待することがあればお話しください。
これからも医療分野の製品開発や技術協力をお願いします。医療機器分野では、信頼性の高い唯一のメーカーだと思います。さらに、技術力を高め、強みである人間性を大切にしていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

「日本発の製品を生み出すために協力をお願いしたい」

最後に、シリコーンゴム加工の発注をお考えの方に良い業者の選び方など、メッセージをお願いします。
医療機器分野においては、業界に精通し、要求品質を満たす努力をしている企業とお付き合いをすることをおすすめします。 こうした技術力はもちろん、その企業の姿勢が大切だと思います。今後、生産設備の技術が向上すれば、さらに高い品質の製品が安く作れるようになるかもしれません。しかし、モノづくりには人が介在します。企業の人柄、そこで仕事をする人の人柄も会社選びの重要なポイントだと思います。

本日はありがとうございました。

HOME

TEL

MAIL